「東京23区の保育園情報」を調査する、パパスマイルの「見たい知りたい 新設保育園レポート」。本シリーズは本や雑誌、インターネットだけでは入手しにくい、現場への取材で得た「正確で具体的な情報」をお伝えする。
第8回は2016年4月に開園した「Picoナーサリ久我山駅前保育園」。大変お忙しい中、運営母体である「社会福祉法人 風の森」の保育事業統括 野上美希(のがみ・みき)様にお話をうかがった。
同園は京王井の頭線久我山駅から徒歩3分で、線路を見おろす丘の上にある。線路および線路沿いの道路からは一定の距離があり、近隣は都内でも有数の高級住宅地となっている。
保育園の側面に自転車用の駐輪場があり、安心して乗り降りすることができる。また屋内にベビーカー置き場もある。京王線久我山駅に近いことから、ベビーカーを預けて出勤する保護者も多い。
入口はオートロック・電子錠となっており、警備会社とも契約を結んでいる。耐震性は最新の基準を満たしている。避難経路も複数確保されている。
施設全体が南向きであり、窓面積を多く取っていることから非常に日当たりが良い。近くを走る井の頭線の電車を見ることができる2階のテラスは、園児に非常に人気があるとのこと。また登園管理・連絡用アプリ「キッズリー」、園の入口に設置された「デジタルディスプレイ」を使い、連絡事項やその日の保育の様子を写真付きで保護者に伝えている。屋上の園庭では三輪車に乗ったり、ボール遊びが行われる。
施設設計においては「木の温もり」を大切にし、園全体が暖かい雰囲気となっている。さらに同園は「室内を子供っぽくしない」という方針をとっており、壁などに安易なキャラクターによる装飾をしていない。大人と同様に「見る目」を持たせ、感性を育てるためにシンプルで上質な装飾のみを施しているとのこと。
国産材料にこだわった食事を出している。また食育として絵本を読んだあと、その中に登場する料理(例:カステラ)を作ることも。さらに近隣の区民農園で園児たちがほうれん草・大根などを育て、収穫・皮むきなどの調理を行なっている。収穫した野菜を園児たち自身の手で近隣住民におすそ分けするという食を通じたコミュニケーションも実施しており、とても喜ばれているとのこと。
主な行事としては10月の運動会がある。これは0歳児・1歳児は親子参加だが、2歳児は1人で出場し、親は観覧席で子どもの成長を見守るもの。同関連法人が所有するバスで行く「おいも掘り」も10月に行われる。同じく10月に行われるハロウィンでは、園児たちが自分で衣装を作成する。このほか12月にクリスマス会、2月に生活発表会(演劇の発表会)、3月に卒園式が行われる。同園の最上級生となる2歳児の成長は驚くべきものだそうで、「こんなこともできるんですね!」と驚かされることもあるという。
<一日のスケジュール例>
7時30分:登園
9時30分:軽食
10時00分:カリキュラム(リトミック、英会話、体操、絵画など)
11時00分:食事
12時00分:お昼寝
14時30分:お散歩など
15時00分:軽食、自由活動
16時30分:保護者によるお迎え
18時00分:延長保育
19時30分:延長保育終了
同園は子どもの可能性を追求し、「健全な成長と限りない能力の開花」という理念を掲げている。そして0歳から2歳という時期を「人生でもっとも成長する時期」と考え、その成長を見守るために通常の1.5倍の保育士を確保している。これは子ども1人ひとりにしっかりと向き合い、その成長を引き出していくために必要なことだという。