「東京23区の保育園情報」を調査する、パパスマイルの「見たい知りたい 新設保育園レポート」。本シリーズは本や雑誌、インターネットだけでは入手しにくい、現場への取材で得た「正確で具体的な情報」をお伝えする。
第9回は2017年4月に開園した「かふう保育園日本橋」。大変お忙しい中、運営母体である「社会福祉法人 幸福義会(読み:こうふくよしかい)」理事長・園長の仲田竜一(なかだ・りゅういち)様と、主任の山本綾子(やまもと・あやこ)様にお話をうかがった。
同園は清洲橋通りからの脇道の中程に存在する。歩道が非常に広く、また車道との間にはガードレールが設置されている。
同園に駐輪場はないが、施設前の歩道は自転車の乗り降りに十分な広さがある。また屋内にベビーカー置き場がある。
入口はオートロック・電子錠となっており、警備会社とも契約を結んでいる。耐震性は最新の基準を満たしている。避難経路も複数確保されている。
同園はビル内のテナントとして入居しているため外観は無機質なオフィスビルだが、一歩施設内に入ると、沖縄のモチーフを取り入れた暖かく明るい空間が広がっている。また屋内の間仕切りは開閉式となっており、全て収納することで広い空間を確保することもできる。
入り口のデジタルディスプレーでは、その日の保育の様子を撮影した写真を掲載し、保護者に園児たちの様子を伝えている。さらに登園・降園管理はIT機器を利用しており、スムーズに延長保育の料金計算などを行うことができる。
国産材料にこだわった給食を出している。また月2〜3回、給食に沖縄料理を取り入れている。具体的にはタコライス(タコスをかけたご飯)、サーターアンダギー(揚げドーナツ)、ジューシー(沖縄の混ぜご飯)、イナムードゥーチー(白味噌の甘い味噌汁)など。特に園児にはタコライスが人気とのこと。また栄養士を中心に食育として、野菜の皮むきや中身の観察、ハロウィンでのかぼちゃ工作などを行なっている。
親子が参加する行事として、2017年は6月に運動会、12月にクリスマス会を行った。また3月には園児の成長を振り返る会を行う予定。このほか月ごとのお誕生日会を各クラスで実施した。また七夕には笹の飾り付けを行った。
<一日のスケジュール例>
7時30分:登園・合同保育
8時15分:0〜1歳、2〜3歳に別れて保育
9時00分:クラス保育
9時30分:おやつ(0〜1歳)。その後、近隣の公園にて散歩
11時00分:昼食
12時00分:お昼寝
15時30分:おやつ、自由遊び
16時00分:保護者によるお迎え開始
18時00分:合同保育
18時30分:延長保育開始
19時30分:延長保育終了
同園を運営する社会福祉法人 幸福義会の法人理念は「自分を愛し、生きる喜びをともに感じる環境をつくる」というもの。理事長によれば、これはつまり「みんなで幸せになりましょう」という意味であり、大人たちがそういう気持ちでいれば、それを見る子供たちも生きる喜びを感じてくれると思っているとのこと。
また経営者として、同園で働く保育士の先生方が幸せを感じられることが子供たちの幸せにつながると考えているため、そのような環境作りを心がけているという。具体的には上下関係にとらわれず、なんでも言える環境にすること、また経営側は明るいエネルギーを発し、笑顔で接することを大切にしている。これらはすべて、先生方の仕事をやりやすくするために取り組んでいることだそうだ。
また保育園の名前にある「かふう」とは、沖縄の方言で「果報」のこと。「幸せ」や「幸福」という意味があり、この園に来るすべての人が「かふう」になることを願って、つけられている。