赤ちゃんを授かってから、もっとも大きな買い物のひとつであるベビーカー。予備知識のないままお店に行くと、思わずテンションが上がり過ぎてしまいます。赤ちゃんの安全性や快適性にはこだわりたいし、押しやすさや持ち運びのしやすさ、見た目のスタイルも妥協したくない・・・いろいろと考えこんでしまい、なかなか決められない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は3人の先輩パパ&ママさんに集まっていただき、座談会を開催。どうやってベビーカーを選んだのか、またこれまで使ってきての感想などをうかがってみました。
筆者「では、自己紹介をお願いします」
Mさん「私たちは豊島区に住んでいます。夫のYは会社員で、私は今は育休中です。こちらは中学生からの友人のEさんです」
Eさん「私の住まいは千代田区です」
筆者「ありがとうございました。さっそくですが、ベビーカーを選んだときの『情報源』はなんでしたか?」
Mさん「まず、夫のYがネットでベビーカーのことを調べてくれましたね。それから現物をお店に見に行きました」
Yさん「ネットでは『ベビーカーの買い方』というような情報を調べたんです。そこでバウンサーやチャイルドシートも兼ねた『5つの用途に使えるベビーカー』があるという情報を得て、最初にそれを見に行きました」
Mさん「うちの夫は『とにかく他人と違うものがいい!』というタイプなので、あまり人が持っていないオシャレなベビーカーを探していました。ただ、そういうベビーカーの実物を見に行くと、とても大きくて重かったんです。それで私が軽いベビーカーを探し始めて・・・けっこういろんなお店に行きましたね。最終的には池袋のベビーザらスで買いました」
筆者「情報収集はネットだけでしたか?」
Mさん「Pre-moという雑誌は読んでました。でも、掲載されているベビーカーが数種類しかなかったので選べず、やはりネットの『比較表』などで調べました。雑誌は掲載されているベビーカーが少ないので、その中からだけで選ぶのはちょっとリスクがあると思います」
筆者「Eさんはいかがでしたか?」
Eさん「私もネットで調べたんですけど、主に『口コミ』と『ランキング』を見ていました。ベビーカーの種類が多すぎてわからなかったので、『ランキング』でほとんど決めたような感じですね。購入したのはアカチャンホンポです」
筆者「ベビーカーを買うときは、ご夫婦で行かれましたか?」
Eさん「はい。うちの夫は『君がよければ、なんでもいいんじゃない』という感じでしたね。『押してみて、好きなやつにしなよ』って言われました。あまり特別な意見はなかったです」
筆者「現在使われているベビーカーを選んだポイントを教えてください」
Mさん「なんと言っても『軽さ』ですね。当時は一戸建てに住んでいて、玄関までに階段が9段もあったんです。このベビーカーとどちらにするか迷っていた3輪のベビーカーは重さが10キロ近くあったんですが、やっぱりそこを上がるのにベビーカーは軽くないとムリだな・・・と思いました。先輩ママにもその生活環境で重いベビーカーは絶対やめたほうがいいと言われましたね。それから『両対面』にできるのも魅力でしたし、ベビーザらス限定だったデニム風の珍しいカラーリングにも一目惚れしました。珍しい色だと児童館や保健所などに行ったとき、すぐにベビーカーを見つけられるというメリットもあります」
Eさん「実はこのベビーカーは2台目なんです。1台目は私もCombiのメチャカルを使っていたんですが、ときどきベビーカーが改札にぶつかるのが気になってしまって。本当はギリギリぶつからずに通れる幅だったんですが、この子の手足が引っかかったら大変ですし」
Mさん「あー、わかる!」
Yさん「改札を通るときはICカードをタッチするために片手をハンドルから離さなきゃならないから、少し進路がずれて、ぶつかることがありますよね」
Mさん「両手で押してるときは曲がらないんだけどね」
Eさん「そう! そんなわけで、よりコンパクトで押しやすいこのベビーカーにしました。また地面の熱さも気になったのでハイシートなもの、私は荷物が多いので荷物カゴが大きいものという点からも選びました。フードの色やシートの柄がかわいいところもポイントでしたね」
筆者「YさんとMさんご夫婦が購入したベビーカーについて、実際に使ってみた感想はいかがですか? いい点、悪い点などは?」
Mさん「やっぱり『軽さ』を重視したのは正解でしたね。家の最寄り駅の池袋は広くてエレベーター探しが大変ですから、よくこの子を乗せたままベビーカーを持ち上げて階段を使っています。それから他の人のベビーカーと色がかぶらないところも気に入っています。また先日、このベビーカーとどちらにするか迷っていた三輪ベビーカーを旅行先でレンタルする機会があったのですが、持ち手に荷物を掛けた状態で子どもを抱き上げたらベビーカーが後ろに倒れてしまったんですね。今使っている四輪ベビーカーは荷物を持ち手に掛けたままでも自立してくれるので、ちょっとビックリしました」
Yさん「私はまず、『コンパクト』な点がいいと思っています。電車の中など混雑しているところに行くときはやはり人目が気になりますし、マナーの観点からも大きなベビーカーで来ている人にはちょっと違和感を感じてしまいますから。最初に考えていた三輪ベビーカーと今のベビーカーは、前後の長さも1.5倍くらい違うかもしれません。また、人混みの中で操作するときもコンパクトな方がラクですね」
Mさん「それから不満な点は特にないのですが、背もたれのリクライニング調整がちょっと大変ですね。倒すのは簡単なんですけど、元に戻すのがやりづらいので、ワンタッチでできたらなあ・・・とは思います」
Yさん「残念な点は操作性ですね。うちのベビーカーの重さは5キロくらいで、別に検討していた三輪ベビーカーは10キロくらいなのですが、押し始めの軽さやカーブでの曲がりやすさ、移動時の安定感は三輪ベビーカーの方が良かったと思います」
Mさん「あと、今使っている四輪ベビーカーは後輪の軸を踏んで前輪を持ち上げてやらないと、道路のちょっとした段差とかに引っかかってしまうんです。三輪ベビーカーだとそのまま乗り越えられるんですよ」
筆者「Eさんが購入したベビーカーについて、実際に使ってみた感想はいかがですか?」
Eさん「シングルタイヤなのでデコボコした道でも押しやすいですし、小回りもきくのがいいですね。また荷物カゴが大きいので抱っこ紐や上着、靴下なんかもどんどん入れられます。また選ぶときの決め手の一つでもあったのですが、片手で簡単にたたんだり、開いたりできるのはやっぱり使いやすいですね」
Mさん「私のベビーカーは両手を使わないとたたんだり開いたりできないから、片手でできるのはいいね!」
Eさん「ただ、このベビーカーも足で後輪の軸を踏んで前輪を持ち上げないと段差にちょっと引っかかるのが難点です。それから日よけ用フードが小さいです。Mさんも使っているメチャカルの日よけ用フードは赤ちゃんの足元まですっぽり隠せるのですが、今の私のベビーカーは少ししか隠れなくて。直射日光が心配だったので、旅行で日ざしが強いところに行ったときにAmazonで日よけフードを買いました」
Yさん「うちで検討していた三輪ベビーカーもフードが小さくて、日よけが別途必要な感じでしたよ」
筆者「お忙しいところ大変ありがとうございました。最後に後輩パパ&ママさんに、一言アドバイスをお願いします」
Mさん「私も子どもが生まれる前は、とにかく『オシャレでカワイイのがいい!』という観点でベビー用品を見ていたのですが、産んだあとはそんなことは言ってられないってことですね(笑)。荷物は軽くてコンパクトなのが一番ですし、見た目よりも機能性を重視した方が後悔しないです」
Yさん「一言で『機能性』と言っても、使う環境で全然違うと思います。たとえばハワイのようなゆったりした場所で基本は車移動なら『操作性』を重視するのもいいですし、東京みたいな大都市で使うなら『コンパクト』であるに越したことはないでしょう。そういう自分たちの生活で使うシチュエーションを考えた上で、必要な『機能性』を決めるのがいいと思います」
Eさん「私は妊娠中、あまりベビーカーのことを考えていなくて、1台目を買ったのも出産後だったんですけど、やっぱり妊娠中に店舗に行って色々見ておいた方がいいと思います。生まれてしまうと、もうゆっくりベビーカーを見て回る時間はなかったので・・・」
お話を伺って感じたのは、なんとなくベビーカーに抱いている「理想・イメージ」よりも実際に「使用する環境」を直視し、「必要とされる機能」を踏まえてベビーカーを選ぶ必要があるということでした。そのためにはある程度、検討する時間も必要でしょう。ぜひ今回の記事を参考に、出産前の比較的余裕のある時期にベビーカーを検討してみてください。